U35応募予定ーおまもりの家
父と社会を再接続する「えのじゅく」をつくる
父は一日中誰とも喋らず孤独に暮らしている。私は彼のために、花園の家をひらいてえのじゅくを営もうと決めた。そうすれば色々な人が花園の家に出入りする中で、元気をもらえるのではないか?
このプロジェクトの問いは二つある。
ひとつには、こどものための場所はどのようにしたら設えられるか?
私は今までこどもと関わることを避けて生きてきたので、どうしたらこどもにとっていい環境をつくれるか想像ができない。ひとりで机上で案をこねくり回していてもわからないことは沢山ある。なので「まずやってみる」を沢山繰り返して場所をゆっくり考えることにした。U35ではそのアイデアと試みのドキュメンタリーを展示したい。
もうひとつは、以前住んでいた家から思い出を引き継いで引っ越すには?だ。
離れてもそこが自分の場所だという感覚が持てるしくみや建築が、いま求められていると思う。実際に私が出会ったあるおばあさんが空き家を手放せないのは、家に思い入れがあるから。手放しても帰ってこられる余地をつくっていきたい。昔の家の思い出に触れられる意匠を少しだけほどこしてみる。思い出すきっかけは残さなければ、意図しなければ、どんどん忘れていってしまうのだ。